日本の木造住宅はどう変わった?
木材と乾燥技術の進歩
国産材から輸入材へ、そして人工乾燥材へ。
木造住宅を支える木材の変化を紹介します。

完成すると見えなくなる柱や梁も、そのひとつ。木材がどう変わってきたのか、少し歴史を振り返ってみましょう。
01国産材から輸入材へ
昔の日本の家づくりでは、杉・檜・松・青森ヒバなどの国産材が主役でした。柱には杉や檜、梁や桁には松など、それぞれの特徴を生かして使われていたんです。
1960年代、日本は高度経済成長の真っただ中。住宅の建築も盛んになり、国産材だけでは木材が足りなくなってきました。
そこで活躍したのが、アメリカやカナダ、当時のソ連などから輸入された木材です。特に梁や桁には、強度面で適した北米産の木材も多く使われました。初めは丸太で輸入して国内の製材所で加工することが多かったものの、次第に海外で製材した木材も入ってくるようになります。

02加工技術と流通の変化
1970年代には、海外の製材品も品質が向上。日本の商社や木材関係者が現地の工場と協力し、日本の建築に合う製品づくりを進めてきました。

東京でも、木材の集積地として知られた木場から、1970年代半ばに新木場への移転が進みます。その後、1980年代以降は工場で柱や梁の接合部分を加工する「プレカット」が普及し、現場での作業も変わっていきました。
さらに海外での人工乾燥や集成材の製造も進み、木材の輸入先は北米だけでなく北欧などにも広がっています。
03人工乾燥材が住まいを変えた
ここが、今から家を選ぶ方に一番知ってほしいところです。
昔の木造住宅では、住み始めてから「パキッ」と木材が割れるような音がしたり、床がギシギシ鳴ったりすることがありました。その原因のひとつが、木材に残っている水分。建築後に乾燥が進むと、木が縮んだり反ったりする場合があるんです。
人工乾燥材(KD材)って?
建築に使う前に、専用の設備で木材の水分を調整したものです。収縮や反り、割れを抑えやすくなり、寸法も安定するので、精度の高い加工につながります。
今では人工乾燥材や乾燥管理された集成材が広く使われ、昔に比べて木材の狂いや割れ、それに伴う床鳴りなどのリスクは軽減されてきました。

もちろん、木材は自然素材です。人工乾燥材でも音や変形が完全になくなるわけではありませんし、床鳴りには施工状態など別の原因もあります。それでも、今の木造住宅は見えない部分までずいぶん進歩しているんです。
まとめ|見えない部分にも進化がある
家の進歩というと、設備やデザインに目が向きがち。でも、柱や梁を支える木材の乾燥・加工技術も大きく変わっています。住まいを選ぶときは、そんな「完成後には見えない部分」にも少し注目してみてください。